建設業許可とは?取得に必要な要件をわかりやすく解説【2026】

建設業許可の取得要件(経営業務管理責任者・専任技術者・財産的基礎・社会保険加入)を示す図 Entrepreneurship/Freelancing

「建設業許可がないと工事を請け負えないと聞いたけど、うちの会社は必要?」「許可を取るのにどんな条件があるの?」——建設業を営むうえで避けて通れないのが、この建設業許可の要件です。

結論から言うと、建設業許可には5つの要件があり、そのすべてを満たして初めて許可が下ります。この記事では、2026年時点の最新基準で、要件を一つずつわかりやすく整理します。

※ 本記事の情報は2026年7月時点のものです。基準額・要件は改正される場合があるため、最新情報は国土交通省の公式発表でご確認ください。


そもそも建設業許可とは

建設業許可とは、一定規模以上の建設工事を請け負うために国または都道府県知事から受ける許可です。すべての工事に許可が必要なわけではなく、後述する「軽微な工事」であれば許可なしで施工できます(詳しくは軽微な工事の解説記事を参照)。

許可を受けるには、建設業法で定められた5つの要件をすべて満たす必要があります。


建設業許可の5つの要件

① 経営業務の管理能力(経管)

建設業に関し5年以上の経営業務の管理責任者としての経験を持つ人物、またはそれに準ずる能力を有する常勤役員等(直接補佐する者の配置を含む)を設置する必要があります。

  • 個人事業主として建設業を5年以上営んでいた実績なども対象になります
  • 「常勤役員等+直接補佐者」という体制での要件充足も認められています

② 専任技術者の設置

各営業所に、次のいずれかに該当する技術者を専任で配置する必要があります。

  • 許可を受けようとする建設業に対応する指定学科の修了者(高卒5年以上・大卒3年以上の実務経験)
  • 10年以上の実務経験を持つ者
  • 該当する国家資格者(施工管理技士など)

③ 誠実性

請負契約の締結・履行にあたって、不正または不誠実な行為をするおそれがないことが求められます。過去に建設業許可の取消処分を受けた経緯がある場合などは、この要件で審査されます。

④ 財産的基礎等

事業を継続していくための資金力があるかどうかを審査する要件です。一般建設業と特定建設業で基準が異なります(詳細は次章)。

⑤ 社会保険への加入

適用事業所となるすべての営業所で、健康保険・厚生年金保険・雇用保険に適切に加入していることが必要です。社会保険への加入は、現在すでに完全な許可要件となっており、未加入のままでは新規申請・更新のいずれも通りません。

このほか、破産者で復権を得ない者、禁錮以上の刑または建設業法・労働基準法等違反による罰金刑から5年を経過しない者、暴力団員等に該当しないことなどの欠格要件に当てはまらないことも条件です。


一般建設業と特定建設業の違い

建設業許可は「一般建設業」と「特定建設業」の2種類に分かれます。違いは主に下請への発注金額と、それに応じた財産的基礎の基準です。

区分対象財産的基礎の基準
一般建設業下請発注が一定額未満、または元請にならない場合自己資本500万円以上、または同等の資金調達能力
特定建設業元請として、下請へ一定額以上を発注する場合資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上(欠損額が資本金の20%以内・流動比率75%以上)

特定建設業が必要になる下請発注金額の基準は、2025年(令和7年)2月1日から引き上げられています。

工事の種類現行基準(2025年2月〜)旧基準
建築一式工事8,000万円以上7,000万円
それ以外の工事5,000万円以上4,500万円

古い情報のまま「7,000万円」「4,500万円」と案内している記事や資料もあるため、必ず最新の基準額で確認することが重要です。

国土交通省「建設業の許可の要件」特定建設業の基準額該当箇所(2026年7月8日閲覧)

(出典:国土交通省「許可の要件」


よくある質問

Q1. 個人事業主でも建設業許可は取れますか?

A. はい、取得できます。個人事業主として建設業を5年以上営んでいた実績があれば、経営業務の管理能力の要件を満たせる場合があります。

Q2. 財産的基礎の「500万円」は預金残高証明書で証明しますか?

A. 一般的には金融機関発行の残高証明書で証明します。証明日からの有効期限は自治体により運用が異なるため、申請先の窓口(都道府県または国の担当部局)に確認するのが確実です。

Q3. 経営業務管理責任者の要件は緩和されたと聞きましたが?

A. 従来は「経営業務管理責任者(経管)本人」が5年以上の経験を持つ必要がありましたが、現在は「常勤役員等+その者を直接補佐する者」という体制でも要件を満たせるようになっています。経営体制の作り方に選択肢が増えた形です。

Q4. 専任技術者の実務経験(10年)はどうやって証明しますか?

A. 在職証明書や工事契約書・注文書などの実務経験を裏付ける書類が必要です。必要書類は申請先によって細かく異なるため、事前に窓口で確認することをおすすめします。


まとめ

建設業許可の取得には、次の5つの要件をすべて満たす必要があります。

  • 経営業務の管理能力(5年以上の経験、または常勤役員等+直接補佐者体制)
  • 専任技術者の設置(指定学科+実務経験/10年実務経験/国家資格者)
  • 誠実性(不正・不誠実な行為のおそれがないこと)
  • 財産的基礎等(一般=自己資本500万円以上/特定=資本金2,000万円以上かつ自己資本4,000万円以上)
  • 社会保険への加入(すでに許可要件として完全義務化)

特に特定建設業の基準額は2025年2月に引き上げられているため、古い情報のまま判断しないよう注意してください。工事の規模によっては、そもそも許可が不要な「軽微な工事」に該当する場合もあります。詳しくは軽微な工事の解説記事をご覧ください。

最新の要件・基準額は、国土交通省の公式発表で必ずご確認ください。


Disclaimer

本記事は情報提供を目的としており、建設業許可の取得を保証するものではありません。要件・基準額は改正される場合があります。最新情報は国土交通省・各都道府県の公式発表でご確認ください。執筆者はキム書士(行政書士試験 受験中・未登録)です。


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