建設業許可がいらない「軽微な工事」とは?500万円ラインを徹底解説

建設業許可が不要な軽微な工事の金額基準(500万円未満・建築一式1,500万円未満)を示す図 Entrepreneurship/Freelancing

「うちは小さい工事しかやらないから、建設業許可はいらないはず」「500万円未満なら本当に許可なしで大丈夫?」——建設業許可には、そもそも許可が不要な工事の範囲(軽微な工事)が法律で定められています。

結論から言うと、軽微な工事の基準は工事の種類によって金額ラインが異なり、判定方法にもいくつかの注意点があります。この記事では、2026年最新の基準で整理します。

※ 本記事の情報は2026年7月時点のものです。基準額は改正される場合があるため、最新情報は国土交通省の公式発表でご確認ください。


軽微な工事とは何か

建設業を営むには原則として建設業許可が必要ですが、一定規模以下の小規模な工事(軽微な工事)については、許可がなくても施工できます。これは建設業法で明確に定義されている例外規定です。

軽微な工事に該当するかどうかは、工事の種類(建築一式工事か、それ以外か)によって基準が変わる点がポイントです。


軽微な工事の金額基準

工事の種類軽微な工事の基準
建築一式工事工事1件の請負代金が1,500万円未満(消費税・地方消費税を含む)<br>または、延べ面積150㎡未満の木造住宅工事
建築一式工事以外(専門工事など)工事1件の請負代金が500万円未満(消費税・地方消費税を含む)
  • 「木造」とは、建築基準法第2条第5号における主要構造部が木造であるものを指します
  • 「住宅」とは、延べ面積の2分の1以上を居住の用に供するものを指します

一般的な内装・電気・管工事などの専門工事は500万円未満、建物を新築するような建築一式工事は1,500万円未満(または木造住宅150㎡未満)が軽微な工事のラインだと覚えておくとよいでしょう。

国土交通省「建設業の許可とは」軽微な工事の定義該当箇所(2026年7月8日閲覧)

(出典:国土交通省「建設業の許可とは」


よくある誤解・注意点

① 材料費も金額に含めるのか

発注者が材料を提供する場合、その材料の市場価格および運送費を請負代金に加算した金額で判定します。材料費を別枠と考えて「請負代金だけなら500万円未満」と判断するのは誤りです。

② 工事を分割契約すれば基準を回避できるか

できません。 正当な理由のない分割契約であっても、実質的に同一の工事とみなされる場合は合算した金額で判定されます。基準額を下回らせるための分割契約は違法となる可能性があります。

③ 軽微な工事なら法律上の制約が一切ないのか

軽微な工事に該当していても、2025年12月12日に完全施行された改正建設業法により、「著しく低い労務費」での契約は禁止の対象となり得ます。「許可が不要=何をしてもよい」わけではない点に注意が必要です(詳しくは改正建設業法の解説記事を参照)。


よくある質問

Q1. 500万円未満というのは消費税を含めた金額ですか?

A. はい。消費税・地方消費税を含んだ金額で判定します。税抜き500万円ちょうどでも、税込みで500万円を超えれば軽微な工事に該当しない可能性があります。

Q2. 元請から下請に発注する工事も同じ基準ですか?

A. はい。軽微な工事の基準は元請・下請を問わず、個々の請負契約の金額で判定されます。

Q3. 軽微な工事でも社会保険への加入は必要ですか?

A. 軽微な工事のみを行い建設業許可を取得しない場合でも、労働者を雇用していれば労働関連法令に基づく社会保険加入義務は別途発生します。許可要件としての社会保険加入とは別の話として、労務管理上の義務は確認が必要です。

Q4. 建築一式工事とそれ以外の工事が混在する場合はどう判定しますか?

A. それぞれの工事の実態に応じて判定されますが、実務上判断に迷うケースも多いため、不明な場合は許可行政庁(都道府県の担当窓口)に確認することをおすすめします。


まとめ

建設業許可が不要な「軽微な工事」の基準は次のとおりです。

  • 建築一式工事:請負代金1,500万円未満(税込)、または木造住宅150㎡未満
  • 建築一式工事以外:請負代金500万円未満(税込)
  • 材料費:発注者提供の場合は市場価格分を加算して判定
  • 分割契約:正当な理由がなければ合算して判定(回避策として使えない)
  • 改正建設業法(2025年12月施行)により、軽微な工事でも「著しく低い労務費」での契約は禁止対象になり得る

自社の工事規模がこのラインを超える場合は、建設業許可の要件を確認し、早めに許可取得の準備を進めることをおすすめします。

最新の基準額・運用は、国土交通省の公式発表で必ずご確認ください。


Disclaimer

本記事は情報提供を目的としており、個別の工事が軽微な工事に該当するかどうかの判断を保証するものではありません。基準額・運用は改正される場合があります。最新情報は国土交通省・各都道府県の公式発表でご確認ください。執筆者はキム書士(行政書士試験 受験中・未登録)です。


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