ものづくり補助金は公募終了、後継制度へ|対象・補助額・申請スケジュール【2026年8月版】

ものづくり補助金が第23次公募で終了し、後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(3枠・最大7,000万円)へ移行したことを示す比較図 Support(事業支援)

※本記事の情報は2026年8月時点の中小企業庁・中小機構の公表資料に基づく情報提供です。公募要領は改訂されることがあるため、申請時点の最新版を必ずご確認ください。

〈使える補助金シリーズ〉① まとめ → ② ものづくり補助金 ←今ここ → ③ 小規模事業者持続化補助金 → ④ キャリアアップ助成金

「設備投資をしたいが、自社は対象になるのか」「補助額はいくらまで出るのか」「次の公募はいつ締め切られるのか」——ものづくり補助金を検討する経営者・経理担当者が最初につまずくのは、たいていこの3点です。

ただし2026年に検討を始める方は、その前に押さえておくべきことが1つあります。

⚠️ ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、2026年8月7日の第23次公募の採択発表をもって公募を終了しました。

2026年度からは「新事業進出補助金」と統合・再編され、後継制度である 「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」 に引き継がれています。

これから申請するなら、見るべきは後継制度のほうです。

この記事では、①従来のものづくり補助金がどういう制度だったか、②後継制度で何がどう変わったか、③いま申請するならどのスケジュールで動くか、を順に整理します。


ものづくり補助金とは(従来制度)

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が行う革新的な製品・サービス開発生産性向上のための設備投資を支援する補助金でした。事務局は全国中小企業団体中央会が務め、中小企業庁が制度を所管していました。

出典:ものづくり補助金総合サイト中小企業庁

「ものづくり」という名前がついていますが、対象は製造業に限りませんでした。小売業・サービス業・飲食業なども、生産性向上につながる設備投資であれば対象になり得ます。この考え方は後継制度にも引き継がれています。


対象になるのは誰か

対象は中小企業者または小規模事業者です。業種によって資本金・従業員数の基準が変わります。

業種資本金基準従業員数基準
製造業・建設業・運輸業その他3億円以下300人以下
卸売業1億円以下100人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
小売業5,000万円以下50人以下

(いずれか一方の基準を満たせば中小企業者に該当。中小企業基本法の一般的な定義に基づく目安)

一定の要件を満たす組合なども対象に含まれる場合があります。自社がどの区分に当たるか迷う場合は、公募要領の対象者一覧で個別に確認するのが確実です。


補助の枠組みと金額の目安

ものづくり補助金は、目的に応じて複数の「枠」に分かれています。枠ごとに補助上限額・補助率・対象経費の考え方が異なります。

従来のものづくり補助金(最終回・第23次公募)

最後の公募となった第23次では、申請枠は2枠に整理されていました。かつてあった「省力化(オーダーメイド)枠」はすでに廃止され、独立した「中小企業省力化投資補助金」へ移っています。

想定される対象補助上限額補助率
製品・サービス高付加価値化枠革新的な新製品・新サービスの開発に必要な設備・システム投資従業員1〜5人 750万円/6〜20人 1,000万円/21〜50人 1,500万円/51人以上 2,500万円中小企業 1/2、小規模企業・小規模事業者・再生事業者 2/3
グローバル枠海外直接投資・輸出・インバウンド対応等、海外事業により国内の生産性を高める投資3,000万円中小企業 1/2、小規模企業・小規模事業者 2/3

(いずれも下限額100万円。大幅賃上げ特例により上限の引き上げあり)

出典:ものづくり補助金 第23次締切 公募要領(P.3-4)

後継制度:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金

2026年度から動いている後継制度では、申請枠が3枠になりました。

補助上限額補助率
革新的新製品・サービス枠2,500万円(賃上げ特例時 3,500万円)1/2〜2/3
新事業進出枠7,000万円(賃上げ特例時 9,000万円)1/2〜2/3
グローバル枠7,000万円(賃上げ特例時 9,000万円)2/3

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金(中小機構)

上限額が大きく引き上げられているのが最大の変化です。 従来の高付加価値化枠が最大2,500万円だったのに対し、新事業進出枠・グローバル枠は最大7,000万円(賃上げ特例で9,000万円)。ただし後述のとおり、求められる数値目標も引き上げられています。

対象経費は、機械装置・システム構築費が中心です。単なる古い設備の入れ替えではなく、生産性を向上させる革新的な取り組みであることが審査で問われます。


採択の基本要件(事業計画に必須の数値目標)

事業計画には数値目標を盛り込むことが基本要件として求められます。ここが、古い解説を読んでいると最も食い違うところです。

従来のものづくり補助金(第23次)の基本要件

#要件数値
付加価値額の年平均成長率(CAGR)3.0%以上 増加
従業員1人あたり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上 増加
事業場内最低賃金地域別最低賃金より +30円以上 高い水準
従業員21名以上の場合のみ次世代法に基づく一般事業主行動計画を策定し「両立支援のひろば」に公表

出典:ものづくり補助金 第23次締切 公募要領(P.14-15)

⚠️ 賃上げ要件を「給与支給総額 年率1.5%以上」と書いている解説が今も多く残っていますが、これは古い数字です。 判定の対象が「総額」から「1人あたり」に変わり、目標も3.5%に引き上げられています。従業員数が増えれば総額は自然に増えますが、1人あたりでは増えません。ここを取り違えると、達成できたつもりで未達になります。

①②③はいずれも未達の場合に補助金の返還義務が生じ得ます。「とりあえず数字を盛る」計画が最も危険な補助金です。

後継制度では付加価値額の目標が上がった

後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金では、付加価値額の年平均成長率が4.0%以上に引き上げられています(1人あたり給与支給総額3.5%以上、事業場内最低賃金+30円以上は同水準)。補助上限が大きくなった分、求められる成長率も上がった形です。

これらは「設備を買う理由」を数字で説明する部分にあたります。事業計画書では、投資によってどう付加価値額が伸びるのかを具体的に示す必要があります。


申請の流れ

  1. GビズIDプライムアカウントの取得(電子申請に必須。取得に数週間かかることがあるため早めに準備)
  2. 事業計画書の作成(現状の課題→投資内容→数値目標の3点セットで構成)
  3. 認定経営革新等支援機関(商工会議所・金融機関・税理士等)による確認(要件により必要)
  4. jGrants(電子申請システム)での申請
  5. 審査・採択発表(書面審査に加え、必要に応じてオンラインでの口頭審査が実施されます
  6. 交付申請 → 事業実施 → 実績報告 → 補助金交付

口頭審査は申請者本人が説明します。 書面審査を通過した一定の事業者に対してオンラインで実施され、外部の支援者が同席することはできません。計画書を人に書いてもらっただけでは説明できないため、内容を自分で把握しておく必要があります。

出典:ものづくり補助金総合サイト「電子申請」「スケジュール」/jGrantsGビズID

GビズIDの取得には時間がかかるため、公募締切の直前に動き出すと間に合わないことがあります。検討を決めた段階で先にアカウント取得を進めるのが安全です。


申請スケジュール(2026年度)

従来のものづくり補助金・第23次(終了済み)

項目内容
公募回次第23次締切(最終回
公募開始2026年(令和8年)2月6日(金)
電子申請の受付開始2026年4月3日(金)17:00
申請締切2026年5月8日(金)17:00(厳守)
採択発表2026年8月7日(金)/申請1,275者・採択448者・採択率約35.1%

後継制度・第1回公募(これから申請する場合)

項目内容
公募開始2026年(令和8年)6月29日(月)
申請受付開始2026年8月31日(月)
応募締切2026年9月30日(水)18:00(厳守)
採択発表2026年12月〜2027年1月(予定)

出典:新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 スケジュール

⚠️ 第1回公募のスケジュールは公募開始後に一度変更されています(2026年7月17日付でスケジュール変更が公表)。公募要領も8月14日に更新されました。締切日は必ず公式サイトの最新表示で確認してください。

従来のものづくり補助金は年に複数回の公募がありましたが、制度が切り替わった直後は回次の間隔が読めません。「1回逃しても次がある」という前提で構えず、直近の回に照準を合わせて動くほうが安全です。


よくある質問

Q. 創業したばかりでも申請できますか? A. 中小企業者の要件を満たしていれば、創業間もない企業でも申請自体は可能です。ただし事業計画の実現可能性(体制・資金計画)がより厳しく見られる傾向があります。

Q. 補助金は先にもらえるのですか? A. いいえ。原則として設備投資などの支出を事業者が先に行い、実績報告後に補助金が交付される「後払い」です。資金繰りの計画にこの点を織り込む必要があります。

Q. 他の補助金と併用できますか? A. 同一の経費に対して複数の補助金を重複して受けることはできません。対象経費が重ならなければ、制度が異なる支援策との併用が可能な場合があります。個別の判断は公募要領・事務局への確認が必要です。


まとめ

  • ものづくり補助金は第23次公募(2026年8月7日採択発表)で終了。 これから申請するなら後継の新事業進出・ものづくり商業サービス補助金を見る
  • 後継制度は3枠。新事業進出枠・グローバル枠は最大7,000万円(賃上げ特例で9,000万円)と、従来より大幅に引き上げ
  • ただし付加価値額の目標も年平均4.0%以上に引き上げられた。賃上げ要件は「1人あたり給与支給総額 年率3.5%以上」(「総額1.5%」は古い数字)
  • 未達なら返還義務が生じ得る。数字を盛った計画がいちばん危ない
  • 申請にはGビズIDプライムアカウントが必須。取得は早めに
  • 補助金は後払い。資金繰りの計画に織り込む

次回は同じ〈使える補助金シリーズ〉③として、小規模事業者持続化補助金を取り上げます。より小規模な事業者向けの制度で、様式・締切の実務まで踏み込みます。

制度全体の一覧は「2026年に中小企業が使える補助金・助成金まとめ」、デジタル投資を検討している場合は「デジタル化・AI導入補助金2026」もあわせてご覧ください。


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