「建設現場で人手が足りない。外国人を雇いたいが、何から手をつければいいのか分からない」——多くの建設業者が抱えるこの悩みに対して、現在の中心的な制度が特定技能「建設」です。ただし、この制度は他分野と比べて受入企業側の義務が特に多いのが特徴です。この記事では、必要な要件と手続きの流れを3ステップで整理します。
※ 本記事の情報は2026年7月時点のものです。実際の運用基準や最新情報は各自治体・地方整備局・窓口へ確認してください。
建設現場で外国人を雇える在留資格
建設現場での現場作業(現業)に外国人を従事させる場合、主に使われる在留資格は次の2つです。
- 技能実習(育成就労):技能移転を目的とした制度
- 特定技能1号・2号:即戦力人材の受け入れを目的とした制度
なお、「技術・人文知識・国際業務(技人国)」は施工管理・設計などのオフィスワーク向けの在留資格であり、現場での作業には従事できません。実務上、現場の担い手として中心になるのは特定技能と技能実習です。
受入企業に必須の4つの義務
特定技能「建設」の大きな特徴は、他分野より受入企業側の義務が重い点です。次の4つは必須で、どれか1つでも欠けると受け入れられません。
| 義務 | 内容 |
|---|---|
| 建設特定技能受入計画の認定 | 在留資格を申請する前に、国土交通大臣の認定を受ける必要がある |
| JAC(建設技能人材機構)への加入 | 受入企業は必ずJACに加入しなければならない |
| CCUS(建設キャリアアップシステム)への登録 | 事業者登録・技能者(外国人本人)登録の両方が必須 |
| 報酬の月給制 | 日給制・時給制は認められず、月給制での支払いが必須 |
特に「受入計画の認定が在留資格申請より先」という順序を取り違えないことが重要です。先に入管へ申請しても、受入計画の認定がなければ受理されません。
外国人を雇う3ステップ
- 受入体制の整備:JACへの加入、CCUSの事業者登録を済ませる
- 雇用契約の締結+受入計画の認定取得:外国人本人と雇用契約を結び、「建設特定技能受入計画」を国土交通大臣に申請・認定を受ける
- 在留資格の申請:地方出入国在留管理局に在留資格(認定または変更)を申請する
この3ステップは順序が重要で、②の認定を得てから③の申請という流れを踏む必要があります。準備から実際の就労開始まで、補正対応なども含めて半年程度を見込んでおくと安心です。
特定技能2号「建設」とは
建設分野は、特定技能制度の中でも当初から特定技能2号が設置されている分野です。1号から2号へ移行すると、次のようなメリットがあります。
- 在留期間の上限がない(無期限に更新可能)
- 家族(配偶者・子)の帯同が可能
- 永住許可の要件となる在留期間に算入できる
人手不足が続く建設業において、長期的に技能者を確保したい企業にとっては、2号への移行を見据えた育成計画も選択肢になります。
よくある質問
Q1. 技能実習と特定技能、どちらを選べばいいですか?
A. どちらも現場作業に従事できますが、制度の目的(技能移転か即戦力受け入れか)や受入手続きが異なります。自社の体制や求める人材像に応じて検討することになります。
Q2. JACへの加入は必須ですか?
A. はい。特定技能「建設」で外国人を受け入れる企業は、JAC(建設技能人材機構)への加入が必須です。
Q3. 日給制で雇うことはできませんか?
A. できません。特定技能「建設」では報酬を月給制で支払うことが義務付けられています。
Q4. 手続きにはどれくらいの期間がかかりますか?
A. 受入計画の認定から在留資格の申請まで一連の手続きを踏むため、補正対応なども考慮すると半年程度を見込んでおくことが推奨されます。
まとめ
- 建設現場で外国人を雇う中心的な制度は特定技能「建設」(技人国は現場作業不可)
- 受入企業にはJAC加入・CCUS登録・月給制・受入計画の国交大臣認定の4つが必須
- 手続きは①受入体制整備→②受入計画認定→③在留資格申請の3ステップ、認定が申請より先
- 建設分野には特定技能2号があり、無期限更新・家族帯同が可能
具体的な申請準備は、最新の国交省手引き・JACの案内を必ず確認しながら進めてください。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の申請可否や許可を保証するものではありません。制度の運用基準は改正される場合があります。最新情報は国土交通省・出入国在留管理庁・JACの公式発表でご確認ください。執筆者はキム書士(行政書士試験 受験中・未登録)です。


