※本記事の情報は2026年8月時点の出入国在留管理庁の公表資料に基づく情報提供です。個別の申請に必要な書類は、申請人・所属機関の状況により異なります。最新の提出書類一覧は出入国在留管理庁のウェブサイトで必ずご確認ください。
「技術・人文知識・国際業務(技人国)」ビザで働く従業員の在留期間更新を控える企業の人事・総務担当者、あるいは更新を控える本人向けに、必要書類をカテゴリー別に整理します。以前取り上げた「COEカテゴリー別必要書類」(V6)が入口(採用時の在留資格認定証明書交付申請)だったのに対し、今回は更新というタイミングが対象です。
「自社はどのカテゴリーなのか」「更新でカテゴリーが下がると何が増えるか」「不許可になりやすい書類の不備は何か」——この3点を順に見ていきます。
まずカテゴリーのおさらい
カテゴリーは、受入企業の規模・実績によって区分されます。
| カテゴリー | 区分(所属機関) |
|---|---|
| カテゴリー1 | 日本の証券取引所上場企業/保険業を営む相互会社/国・地方公共団体/独立行政法人/一定の条件を満たす企業 等 |
| カテゴリー2 | 前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の源泉徴収税額が1,000万円以上ある団体・個人/在留申請オンラインシステムの利用申出が承認された機関 |
| カテゴリー3 | 前年分の法定調書合計表が提出された団体・個人(カテゴリー2を除く) |
| カテゴリー4 | 上記いずれにも該当しない団体・個人 |
出典:出入国在留管理庁「在留資格『技術・人文知識・国際業務』」
このカテゴリー区分の基準は、COE(在留資格認定証明書)の申請時と更新申請時でまったく同じです。判定の物差しは変わりません。
重要な注意点:カテゴリーは申請のたびに再判定されるという前提で考える必要があります。採用時にカテゴリー4だった会社が、事業が軌道に乗り前年分の法定調書合計表を提出できるようになれば、更新時にはカテゴリー3に上がることがあります。逆に、業績悪化で源泉徴収税額が1,000万円を割れば、カテゴリー2からカテゴリー3に下がることもあり得ます。「前回申請時のカテゴリーのまま」と思い込まないのが実務上の第一歩です。
カテゴリー全体で共通して出すもの
更新申請でも、カテゴリーを問わず共通して必要になる書類があります。
- 在留期間更新許可申請書 1通(様式:別記第三十号の二様式(第二十一条関係)・全7ページ)
- 写真 1葉(縦4cm×横3cm・申請前6か月以内に撮影・裏面に氏名を記載。※1歳未満は提出不要)
- パスポート及び在留カード(提示)
- カテゴリー該当性を証明する文書(カテゴリー1〜3)
- 手数料納付書(別記第八十四号様式(第六十一条関係))
手数料は許可されるときに6,000円(収入印紙で納付)。オンライン申請なら5,500円です(2025年4月1日改定)。申請の時点では不要で、許可されるときに納めます。
⚠️ 写真の撮影時期を「3か月以内」と案内している解説をよく見かけますが、入管庁の要件は6か月以内です。
カテゴリー3・4で増える書類
ここが本記事でいちばん誤解の多いところです。「同じ会社で続けて働く人の更新」と「転職した人の初回更新」で、必要書類がまったく違います。
① 同じ勤務先での更新(カテゴリー3・4共通)
- 所属機関の代表者に関する申告書(参考様式) 1通
- 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書 各1通(1年間の総所得と納税状況が記載されたもの・市区町村役場で取得)
カテゴリー4のみ、さらに1通:
- 前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表を提出できない理由を明らかにする資料 1通(給与支払事務所等の開設届出書の写し、直近3か月分の所得税徴収高計算書の写し等)
② カテゴリー3・4の企業に転職した後の初回更新
①に加えて、次の資料が必要になります。
- 労働契約を明示する文書(労働基準法15条1項・規則5条に基づく明示文書) 1通
- 登記事項証明書 1通
- 勤務先の事業内容を明らかにする案内書等 1通
- 直近年度の決算文書の写し 1通(新規事業の場合は事業計画書)
- (言語能力を用いて対人業務に従事する場合)CEFR B2相当の言語能力を証明する資料 1通
出典:出入国在留管理庁「提出書類チェックシート(在留期間更新許可申請用)」
COE申請時との差分がここではっきりします。 採用時に必要だった卒業証明書・会社案内・決算書・登記事項証明書は、同じ会社で続けて働く人の更新では原則不要です。代わりに求められるのが、本人の前年の就労・納税の実態を示す「住民税の課税・納税証明書」と「代表者に関する申告書」の2点。会社の資料が再び必要になるのは、転職後の初回更新のときです。
カテゴリー別チェックリスト
| # | 書類 | カテゴリー1 | カテゴリー2 | カテゴリー3 | カテゴリー4 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 申請書・写真・パスポート/在留カード提示 | 必要 | 必要 | 必要 | 必要 |
| 2 | カテゴリー該当性を証明する文書 | 必要 | 必要 | 必要 | ー |
| 3 | 所属機関の代表者に関する申告書 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 4 | 住民税の課税・納税証明書 | 不要 | 不要 | 必要 | 必要 |
| 5 | 法定調書合計表を提出できない理由の資料 | 不要 | 不要 | 不要 | 必要 |
| 6 | 労働条件明示文書・登記事項証明書・会社案内・決算書 | 不要 | 不要 | 転職後の初回更新のみ | 転職後の初回更新のみ |
カテゴリー1・2は大幅に簡略化されます。 共通書類とカテゴリー該当性の証明だけで、住民税の証明書も会社の資料も原則求められません。
更新申請の実務フロー
- 更新対象者の在留期限を確認(6か月以上の在留期間を持つ人は、満了のおおむね3か月前から申請できます)
- 自社の直近のカテゴリーを再確認(前回申請時と変わっていないか)
- カテゴリー別の必要書類をそろえる
- 申請人本人が入管窓口またはオンラインシステムで申請(所属機関の職員が取次者として申請することも可能)
- 審査 → 許可・不許可の通知
標準処理期間は2週間〜1か月です。COE(在留資格認定証明書)の1か月〜3か月と比べると短いのですが、これはあくまで標準であって保証ではありません。
出典:出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」
在留期限ギリギリでの申請は避けるのが基本です。審査に時間を要した場合でも、申請中であれば「特例期間」により従前の在留資格で一定期間活動を継続できる仕組みがありますが、これはあくまで審査待ちの間の措置であり、不許可になるリスクへの備えにはなりません。
よくある質問
Q. カテゴリーが下がると、必ず更新が不許可になりますか? A. カテゴリーは提出書類の範囲に影響するものであり、それ自体が許可・不許可を直接決めるものではありません。ただし、カテゴリーが下がる背景(業績悪化等)が、在留資格の活動内容の継続性に疑義を生じさせる場合は、審査上の論点になり得ます。
Q. 転職して別の会社で技人国ビザを更新する場合も同じ書類ですか? A. 転職を伴う場合は、在留資格変更または在留期間更新のどちらの手続きになるかを含めて確認が必要です。新しい所属機関のカテゴリーで判定される点も踏まえ、個別の状況に応じた確認をおすすめします。
Q. 更新申請はオンラインでできますか? A. 在留申請オンラインシステムを利用できる場合があります。利用にはカテゴリー2の要件と同様、事前の利用申出・承認が必要になるケースがあります。
まとめ
- カテゴリーは申請のたびに再判定される。前回と同じとは限らない
- 同じ会社で続けて働く人の更新は、COEより書類が減る。 カテゴリー3・4で増えるのは「住民税の課税・納税証明書」と「代表者に関する申告書」の2点(カテゴリー4はもう1通)
- 会社の資料(登記事項証明書・会社案内・決算書)が要るのは、転職後の初回更新。 ここを混同しない
- 写真は6か月以内、手数料は6,000円/オンライン5,500円、標準処理期間は2週間〜1か月
- 在留期限のおおむね3か月前から申請可能。ギリギリの申請は避ける
COE(採用時)のカテゴリー別必要書類については「COEの必要書類」、在留カード更新手数料の実務については「在留カード更新手数料値上げ後の実務」、更新後の届出については「在留期間更新・変更後の届出」もあわせてご覧ください。


