このシリーズ:〈外国人の賃貸 入居者シリーズ〉
① 審査に通る書類チェックリスト【今ここ】
③ 賃貸契約の必要書類ガイド(近日公開)
日本で部屋を探している外国人の方から、こんな声をよく聞きます。
「不動産屋に行ったら『書類が足りない』と言われた」「何を準備すればいいのかわからない」「書類は用意したのに審査で落ちてしまった」——。
賃貸審査で書類が不備だと、それだけで審査を断られることがあります。しかし、必要な書類を正しく理解して万全の準備をすれば、審査通過率は大きく上がります。
この記事では、外国人が賃貸審査で求められる書類をカテゴリ別チェックリスト形式で完全網羅します。在留資格別の追加書類から、書類準備のポイントまで丁寧に解説します。
※ 本記事の情報は2026年7月時点のものです。審査基準は管理会社・保証会社によって異なります。最新情報は各不動産会社にご確認ください。
賃貸審査で求められる書類の全体像
必要書類をそろえた後は、審査を通しやすい保証会社選びも重要です。候補整理には外国人入居者向け家賃保証会社5選と外国人賃貸に強い保証会社比較を確認し、管理側のリスク対策として家賃滞納リスクと保証対策もあわせて押さえておくと安心です。
賃貸審査で必要な書類は、大きく3つのカテゴリに分かれます。
| カテゴリ | 目的 | 主な書類 |
|---|---|---|
| ① 身分確認書類 | 本人確認・在留資格の確認 | 在留カード・パスポート |
| ② 収入・信用証明 | 家賃支払い能力の確認 | 給与明細・在職証明書・課税証明書 |
| ③ 申込・保証関連 | 申込内容の確認・保証審査 | 申込書・保証会社所定書類 |
以下では、それぞれの書類を詳しく解説します。
① 全員共通の必須書類
在留資格の種類にかかわらず、ほぼすべての物件の審査で求められる書類です。事前にコピーを複数枚用意しておきましょう。
■ 在留カード(両面コピー)
外国人が日本で賃貸を借りる際に最も重要な書類です。在留資格の種類・在留期限・就労の可否が記載されているため、貸主側が真っ先に確認します。
- 原本の持参と両面のコピーを1〜2部用意する
- 在留期限が3ヶ月以上残っていることが望ましい(期限切れ間近は不利)
- 裏面に「就労制限の有無」が明記されているため、両面コピーが必須
■ パスポート(顔写真ページのコピー)
在留カードと合わせて身分確認に使われます。
- 顔写真のあるページのコピーを用意
- パスポートの有効期限も確認する(期限切れは再取得が必要)
■ 住民票(発行後3ヶ月以内)
日本での住所確認に使われます。外国人も転入届を出している場合は住民票を取得できます。
- 市区町村の窓口またはコンビニで取得可能(マイナンバーカードがあればコンビニが便利)
- 外国人登録の内容が記載される
■ 申込書(物件所定)
不動産会社または管理会社が用意する書類。氏名・現住所・勤務先・年収などを日本語で記入します。
- 日本語が苦手な場合は、不動産会社に確認しながら記入する
- 外国語での記入は認められない場合が多い
② 収入・信用証明書類
「家賃を毎月払えるか」を確認するための書類です。在職している方は勤務先関連の書類、収入がない留学生は親からの送金証明などで代替します。
■ 在職証明書(または雇用契約書)
勤務先が発行する証明書類です。
- 在職証明書:人事部門に依頼して発行してもらう(通常1〜2週間かかる場合あり)
- 雇用契約書:コピーを提出する(会社が発行できない場合の代替)
- 記載内容:氏名・役職・雇用形態(正社員/派遣/契約等)・勤続年数・月給の目安
■ 給与明細(直近3ヶ月分)
収入の安定性を見るために求められます。
- 直近3ヶ月(最低でも2ヶ月分)を用意する
- 紙の明細がない場合は電子明細を印刷する
- 毎月の手取り額と総支給額が確認できるもの
■ 源泉徴収票(前年分)または確定申告書の控え
年収の全体像を示す書類です。
- 源泉徴収票:前年12月〜翌1月に会社から交付(紛失した場合は再発行依頼)
- 確定申告書の控え:フリーランス・個人事業主の方は確定申告書+受領印を用意
■ 課税証明書(市区町村発行)
年収と税金の支払い状況を確認する公的書類。
- 市区町村の窓口で取得(発行後3ヶ月以内のものが望ましい)
- 前年の収入が記載されるため、来日1年未満の方は収入ゼロ〜少額になることがある
- 収入が少ない場合は、雇用契約書・給与明細で補足する
■ 銀行通帳のコピー(残高確認)
保証会社によっては残高確認のために求められます。
- 直近3ヶ月分の取引明細ページを印刷またはコピー
- 残高がゼロに近い場合や大きな出金がある場合は説明を求められることがある
③ 在留資格別の追加書類
在留資格によって、追加で必要な書類が異なります。
| 在留資格 | 追加で求められることが多い書類 | ポイント |
|---|---|---|
| 技術・人文知識・国際業務など就労ビザ | 在職証明書・雇用契約書・給与明細 | 審査で最も有利なカテゴリ。年収300万円以上が目安 |
| 留学(学生) | 在学証明書・入学許可書・親からの仕送り(送金)証明 | 収入なしのため、保護者の資力証明が重要 |
| 永住者・特別永住者 | 在留カードのみで可(審査は最も有利) | 日本人と同等の審査を受けられるケースが多い |
| 家族滞在 | 扶養者(配偶者等)の在職証明書・収入証明 | 本人ではなく扶養者の収入を証明する |
| 経営・管理 | 登記簿謄本・決算書(直近1〜2期分) | 法人経営者として収入の安定性を証明 |
| 技能実習(移行後) | 雇用契約書・受入機関の証明書 | 在留期限が短い場合は注意が必要 |
書類準備の3つのポイント
① 原本とコピーを両方用意する
不動産会社によって「コピーのみ」「原本確認後にコピーを提出」など対応が異なります。原本は必ず持参した上で、コピーを3〜5部用意しておくと安心です。
② 有効期限に注意する
在留カード・パスポートの有効期限が近い場合、更新後に申し込むと審査が有利になります。在留期限まで残り3ヶ月を切っている場合は、更新手続きを先に済ませることをお勧めします。
③ 日本語以外の書類は翻訳を用意する
海外の大学の成績証明書など外国語の書類は、日本語訳を添付することで審査がスムーズになります。翻訳は本人が作成したもの(認証不要の場合が多い)でも可ですが、公証翻訳が求められる場合もあります。
書類が揃っても審査が通りにくいケースと対策
書類を全部用意しても審査が難しいケースがあります。
● 在留期限が短い(1年未満)
対策:在留期限の更新後に申し込む。または更新手続きを行っている最中であることを証明する(資格外活動許可書等の写し)。
● 来日間もなく収入実績がない
対策:雇用契約書で今後の収入を証明する。保証会社に外国人特化型(GTNなど)を指定してもらう。家族滞在の場合は扶養者の収入証明を充実させる。
● 自営業・フリーランス
対策:確定申告書(2〜3年分)+預金残高証明を用意する。収入が安定している実績を数字で見せる。
よくある質問
Q1. 書類はすべて日本語で用意しなければなりませんか?
A. 在留カード・パスポートは原語のままで問題ありません。一方、外国語の在職証明書や収入証明書は、日本語訳を添付することを求められる場合があります。不動産会社に事前に確認しましょう。
Q2. 在留カードを更新中でコピーがありません。どうすれば?
A. 更新申請中の場合は、「更新申請中」と記載されたシールが貼られた古い在留カードで対応できる場合があります。更新申請の受付票のコピーを合わせて提出すると審査がスムーズです。
Q3. 給与明細が電子送付で紙がありません。
A. 電子明細をPDFでダウンロードして印刷したものでも問題ありません。会社のシステムにログインして取得したものと伝えておきましょう。
Q4. 保証会社の審査にはどんな追加書類が必要ですか?
A. 保証会社によって独自の申込書が必要になる場合があります。外国人対応の保証会社(GTN・ニッポンインシュアなど)は外国人の状況に慣れているため、書類の過不足を確認しながら審査を進めてくれます。詳しくは外国人向け家賃保証会社の比較記事をご覧ください。
まとめ:審査書類チェックリスト
申し込み前に以下を確認してください。
【全員共通】
- [ ] 在留カード(両面コピー・有効期限3ヶ月以上残っているか)
- [ ] パスポート(顔写真ページのコピー・有効期限確認)
- [ ] 住民票(発行後3ヶ月以内)
- [ ] 申込書(不動産会社所定・日本語で記入)
【収入証明】
- [ ] 在職証明書 または 雇用契約書
- [ ] 給与明細(直近3ヶ月分)
- [ ] 源泉徴収票(前年分)または確定申告書の控え
- [ ] 課税証明書(市区町村発行)
- [ ] 銀行通帳コピー(求められた場合)
【留学生の場合】
- [ ] 在学証明書
- [ ] 親からの仕送り(送金)証明書
【コピーは5部用意しておく】
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、個別の法的・行政的アドバイスを提供するものではありません。審査基準は管理会社・保証会社によって異なります。詳細は各不動産会社にご確認ください。執筆者はキム書士(行政書士試験 受験中・未登録)です。
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