日本で暮らす外国人にとって、「部屋探し」は最初の大きなハードルのひとつです。
「何件も内見したのに申し込みを断られた」「保証会社の審査で落とされた」——そんな経験をされている方も少なくないでしょう。
なぜ外国人は賃貸審査で不利になりやすいのか。そして、どうすれば審査を通過できるのか。この記事では、人事実務に携わる立場と、外国人として日本で生活する当事者の視点から、具体的な対策を解説します。
なぜ外国人の賃貸審査は落ちやすいのか
外国人が賃貸審査で不利になりやすい主な理由は3つあります。
① 言語・コミュニケーションの壁
賃貸契約は日本語で行われるのが一般的です。契約書の内容が読めない・説明が理解できないと、大家さんや管理会社に「トラブルが起きたときに対応できるか心配」と思われてしまいます。
② 在留資格・滞在期間への不安
在留期間が短い、または在留資格の更新状況が不明だと、「途中で帰国するかもしれない」という懸念から敬遠されることがあります。特に在留期間が1年未満の場合は審査が厳しくなる傾向があります。
③ 信用情報・保証人の問題
日本国内での賃貸履歴がない、日本の信用情報機関に情報が登録されていないと、保証会社が審査の判断材料に困ります。また、日本国内に連帯保証人を用意できないケースも多く見られます。
審査通過率を上げる3つの対策
対策①:外国人対応の保証会社を経由する
賃貸保証会社の中には、外国人専門・外国人対応に積極的な会社があります。外国人の審査実績が豊富な保証会社は、在留資格や雇用形態の特性を踏まえた審査をしてくれるため、通過率が大きく変わります。
物件探しの際に仲介会社へ「外国人対応の保証会社と提携している物件を探してほしい」と伝えるのが有効です。
外国人対応の保証会社を利用する場合、保証料が一般的な保証会社より高く設定されている場合があります(例:賃料の1〜2ヵ月分など)。コスト面も事前に確認しておきましょう。
対策②:必要書類を万全に準備する
審査の場で「書類が足りない」と言われると印象が悪くなります。以下の書類を事前に用意しておきましょう。
| 書類 | 備考 |
|---|---|
| 在留カード(両面コピー) | 在留資格・在留期間を確認される |
| パスポート | 身分証明として提示 |
| 在職証明書または雇用契約書 | 勤務先・収入の証明 |
| 給与明細(直近3ヵ月分) | 収入の安定性を示す |
| 源泉徴収票または確定申告書 | 年収の証明 |
| 住民票 | 日本での居住実績 |
収入が安定しており、在留資格に問題がなければ、書類を丁寧に準備するだけで審査通過率が大きく上がります。
対策③:外国人対応物件・支援制度を活用する
すべての物件・大家さんが外国人に対して厳しいわけではありません。外国人入居者に理解のある物件を積極的に探すことが重要です。
- 外国人向け賃貸を専門とする不動産会社を利用する
- 住宅セーフティネット制度(住宅確保要配慮者向けの国の支援施策)を活用する
- 外国人入居支援に取り組むNPO・支援団体に相談する
行政書士に相談することで、在留資格の証明書類の整え方や、審査に通りやすい物件の紹介ルートを案内してもらえる場合もあります。
在留資格別の審査難易度の目安
在留資格の種類によって、審査の通りやすさが変わります。以下は一般的な傾向です。
| 在留資格 | 審査の通りやすさ | ポイント |
|---|---|---|
| 永住者・特別永住者 | ◎ 通りやすい | 在留期間制限なし・安定性が高い |
| 日本人・永住者の配偶者等 | ○ 比較的通りやすい | 日本での定住見込みが高い |
| 技術・人文知識・国際業務 | △ 在留期間による | 3年・5年の在留期間なら比較的OK |
| 留学 | △ やや難しい | 収入が少ない・在留期間が短いケースが多い |
| 技能実習・育成就労 | △ 難しいことも | 特定の企業に紐づく在留資格のため |
| 短期滞在 | × ほぼ不可 | 日本での定住を前提とした契約に対応できない |
よくある質問
Q. 外国人でも礼金・敷金なしの物件は借りられますか?
礼金・敷金なしの物件も増えていますが、外国人向けとなると選択肢が狭まる場合があります。仲介会社に希望条件を伝えつつ、柔軟に交渉することが重要です。保証会社審査さえ通過できれば、礼金・敷金なし物件でも契約できるケースは多いです。
Q. 日本語がほとんど話せないのですが、どうすればいいですか?
多言語対応の不動産会社(英語・中国語・ベトナム語等)を選ぶのがベストです。また、外国人の友人・同僚など日本語ができる人に同行をお願いする方法もあります。
Q. 雇用されていない(フリーランス・自営業)の場合は審査に通りにくいですか?
会社員に比べて収入の安定性を証明しにくいため、審査が厳しくなる傾向があります。確定申告書・銀行通帳・取引先との契約書など、収入の実態を示す書類を多めに準備しましょう。
Q. 入居後にトラブルが起きた場合、誰に相談すればいいですか?
管理会社・大家さんへの相談が最初のステップです。言語の壁がある場合は、自治体の外国人相談窓口や、NPO法人の支援を利用することができます。行政書士に相談することで、契約書の内容確認や交渉サポートを受けられることもあります。
まとめ
外国人の賃貸審査を突破するための3つの対策を振り返ります。
- 外国人対応の保証会社を経由する物件を選ぶ
- 在留カード・雇用証明・収入証明を万全に準備する
- 外国人対応物件・支援制度・専門家を積極的に活用する
書類が揃っており、収入・在留資格に問題がなければ、多くのケースで審査を通過できます。部屋探しでお困りのことがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。


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